尖閣諸島問題

えー、前回の記事からブログの更新が止まっていることはさておき、ご存知のとおり尖閣諸島の問題が大変なことになっています。

本件について、いくつか感じたことを断片的に記述してみます。

1.中国の大学生との会話

先日、大学の政治学部に申し込みに行った際に、4名程の政治学部の3、4年目の学生と親しくなって本件について討論する機会があったのですが、私が「尖閣諸島は当然日本の領土だと考えている」と言ったら、「本当に???」と驚かれてしまいました。この反応には、むしろこっちが驚かされました。

で、話を進めていくと、彼らが1970年まで中国も台湾も尖閣諸島が米国の施政下におかれていたことに一度も抗議をしなかったことすら知らないということが分かりました。で、この点に話がおよぶと、「だいたい、日本人は過去に日本がしたことを知っているのか?」と、突然話題を歴史認識/歴史教育問題に飛ばされました。

断っておきますが、彼らは当然ながら普通の大学学部生であって(優秀な層に属するのでしょうが)、中国人を代表するわけでも何でもないわけです。ちなみに、彼らは相当に良い人達で、この話が終わったあとも、会ったばかりの私の入学手続きを色々手伝ってくれたり、キャンパスを案内してくれたりもしました。

あえて会話を紹介したのは、一例であるとはいえ、中国人の反応を紹介したかったからです。私的には、(1)普段は中国政府も国内メディアも信頼せず批判的である中国の若者が、基本的な知識も無いにも関わらずず尖閣諸島については疑いなく中国の領土であると信じていること、(2)領土問題と歴史問題がリンクしやすいこと、の二点は興味深いと思いました。

2. とある報道

今日、mixiで見かけた以下の報道。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100914ddm002040016000c.html

以下の談話をどう読めば「外交勝利」(しかもカギ括弧付き)になるのか、私にはわかりかねます。
http://www.fmprc.gov.cn/chn/gxh/tyb/fyrbt/t751892.htm

もちろん、私の中国語力不足や知識不足の可能性は十二分にありえるのですが、ちょっと現段階でどう考えても「中国外交の勝利を宣言」には読めないです。

mixiの日記では政府の「弱腰外交」を非難するコメントが相次いでいますが、ミスリードではないでしょうか??
http://news.mixi.jp/list_quote_diary.pl?page=1&id=1341063

もし私の見方が間違っているようであれば、教えていただければ大変助かります。

3.両国の公式見解

尖閣諸島を巡っては領有権の問題はそもそも存在していません。

それはさておき、一般的に言えば、領有権をめぐる問題というのは、政府の公式見解は「疑いなく我が国の領土である」と言わざるを得なものだと思います。ただ、私が考えるに、互いの立場を離れた場では「客観的に見てどちらの主張に歩があるか?」、「相手側の論拠は何であるのか?」と考え、検討していく人が、双方の国内に増えていくことも、同様に大事なことであろうと思います。

中国を含め、どんな国であろうと、そういう人は少なからずいるであろうし、中国に住む日本人の一人としては、そういう人に会ったら、丁寧に議論をしていきたいと思います。

そんな考えもあり、参考までに、尖閣諸島に関する日中双方の公式見解を以下に紹介しておきます。いまの情勢下、特に中国に住む日本人は一読してみても損はしないのではないでしょうか。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/

http://news.xinhuanet.com/ziliao/2003-08/25/content_1044000.htm