広州の風景

お久しぶりです。最近はイギリス大学院留学への準備に追われています。

たかがA4数ページ程度の英文なのですが、何時までたっても納得のいく文章が書けず、気がつけば取り組み初めてから一ヶ月程の時間が過ぎてしまいました。

その間、中国見聞も中国研究も語学の学習も全部中途半端に留まっているので、とっとと終わらせて、気分良く残りの留学生活を過ごせるようにしたいものです!

目標は「今年中に全て書き終える!」です。

遅ればせながら、ちょっと良いデジタルカメラを買いました。これまでは殆ど写真を撮らなかったのですが、初めてみたらすごいハマって、最近は移動中に見かけた街の様子をちょこちょこ撮って遊んでいます。

ということで、撮った写真で街の雰囲気を紹介してみたいと思います。

広州の古い街並み。近代的ビルが雨後の筍ばりに続々と建ちまくる広州ですが、一歩道を入れば、こんな街並みが広がっています。

(追記)3枚目の写真、よくみると上のほうにあるケーブルに「光纜無銅、取之無用(光ケーブルで銅は入っていません、盗る価値がありません)」と書かれています。味があっていいっすね。









GREその後

前々回紹介したGRE騒動、前回紹介した残念なメールから数日後、改めて謝罪文がHPに掲載されました。

http://www.ets.org/s/china/statement.html

その上で、交通費等、前回受験時にかかった費用も領収書で証明できれば賠償してもらえるようです。

そして、先週の土曜日、再試験を受けてきました。


地元テレビ局の取材まで出てました〜

私的に興味深かったのは、試験前に何か説明や謝罪があるのかという点でしたが、結局なんの説明も行われず、何もなかったかの如く普通に試験が行われました。

まあ、彼らも受験生同様巻き込まれた側なので、休日に朝から二度も同じことやらされて迷惑だというのが本音でしょう。

私の手応えとしては、前回よりは良くなったので儲けものでしたが(気のせいか問題が簡単になってました)、失敗した人、寝坊した人等は、きっとやりきれない気持ちになるのでしょう。仕方のないことですが。

【記事紹介】The Economistの日本特集

久しぶりに記事紹介ですが、今週のThe Economistの日本特集が非常に面白いです。

http://www.economist.com/node/17492860

和訳もJBPressにアップされ始めました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4895

詳しくは、池田信夫氏のブログにて紹介されているので、そちらを見ていただくのが早いと思います。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51502209.html

あと、池田信夫氏ブログにも紹介されていますが、iPhoneアプリのThe Economistは、itunesアカウントのみで、一部700円でThe Economistを購入、ダウンロード出来るので、非常に便利です。

例えば、JBPressに既に和訳されている部分だけでも、

「文化的なタブー、とりわけ序列に厳しい日本企業におけるタブーを克服しなければならない。そうしたタブーは、あまりにも長い間、無策の言い訳にされてきた。」

「日本における高齢化の不幸な副作用の1つは、最も影響を受けるのが若年層であるということだ。」

「今、団塊世代の子供たちは40代に差し掛かっており、日本企業の中級管理職のピラミッドの中で2番目の突出部となっている。年功序列の給与体系を取っているため、これは企業のコストにとって大きな負担となり、結果として、若年層に職業訓練を受けさせ、程度の高い仕事を提供する資金が少なくなっている。」

「現在の日本では、働く女性の62%が第1子ができた際に仕事を辞めている。こうした女性に対する職場での差別が緩和されれば、女性が仕事に復帰しやすくなるはずだ。」

等々、至極まっとうな論点でありながら、何故か日本のメディアでは殆ど論じられないことを一つ一つ断言してもらえているので、気持ちいいですね。

更には、「本誌(英エコノミスト)は今回の特集記事で、日本は真っ向からこの問題に立ち向かうべきだと主張する。」とまで断言されてしまいます。ここまでくると寂しさすら感じますが。ともあれ、おすすめです。

GRE騒動

またもや久しぶりの更新ですが、中国語の試験を受け、上海に滑り込みで万博を見に行き、飲み会の幹事をし、友人を迎え、英国留学準備をし、と10月はバタバタした一ヶ月間を過ごしてきました。

今回は、10月23日にGREという米国大学院留学用の知能試験みたいな試験を受けてきたのですが、それに関する事件です。

ETSというTOEFLなども仕切っている会社がGREも実施しているのですが、やらかしてくれました

なんと、「過去(2005年6月)に出した問題を間違えて出してしまう」なる凡ミスを犯し、中国では半年に一度しかない試験にも関わらず中国全体約24000人のスコアを取り消して再試を行うこととなりました。

中国ではそれなりにニュースになっていて、ネットでは早くも「賠償しろ!」との声も上がっています。日本では流石にニュースになっていないみたいですが。

http://news.google.co.jp/news/more?hl=zh-CN&biw=1024&bih=485&q=GRE&um=1&ie=UTF-8&ncl=dIPU4o7SbT-fjKMainpGYpMXjJXTM&ei=VF_MTJ_TOoOivQPlxs3uDw&sa=X&oi=news_result&ct=more-results&cd=1&resnum=6&ved=0CEUQqgIoADAF

が、それよりもわたし的に気になるのがETSの送ってきた謝罪メール。

見ているだけで腹が立つ内容です。

From: ETS GRE
Date: 2010/10/29
Subject: October 2010 GRE General Test Administration in China - Important
To:

Dear Examinee:

ETS places great importance on the validity of GRE® scores. There was an issue with the October 23, 2010, administration of the GRE General Test in China in which a previously used edition of the test was mistakenly administered. As a result of this administrative irregularity, ETS has made the difficult decision to cancel the scores of all individuals who tested at the October 23, 2010, administration in China.

Test takers are being offered a choice of three options:

1. take a make-up test on November 20, 2010
2. transfer to the June 11, 2011, test administration
3. receive a full refund of their test fee

We have automatically scheduled you to retake the Verbal Reasoning and Quantitative Reasoning sections of the GRE General Test at the make-up administration on November 20, 2010. You will not need to retake the Analytical Writing section since that administration was not affected. If you would like to test on November 20, 2010, please sign in to your My GRE account at www.ets.org/mygre and print your admission ticket from the October 23, 2010, administration. Bring the admission ticket and a copy of this email message to the make-up administration on November 20, 2010, in order to be admitted to test; no new admission tickets will be mailed. We are accelerating the score reporting timeframe for the November 2010 make-up administration and scores will be reported to institutions by December 10, 2010.

If you are planning to test on November 20, 2010, you do not need to contact us. However, if you prefer to transfer to the June 11, 2011, test administration, or you do not want to test and would like a full refund of your GRE General Test fee, please contact GRE Services by November 11, 2010. GRE Services can be reached via email at gre-info@ets.org or by phone at 1-609-771-7670. Phone lines are open Monday through Friday, from 8:00 a.m. to 7:45 p.m. New York Time.

We regret that this isolated incident occurred and are taking steps to prevent a similar occurrence in the future. If you have any questions about the options listed above, please contact GRE Services at the email address or phone number listed above.

Sincerely,

The GRE Program
Educational Testing Service


Copyright © 2010 by Educational Testing Service. All rights reserved.
ETS, the ETS logo, LISTENING. LEARNING. LEADING. and GRE are registered trademarks of Educational Testing Service (ETS).

例えば、

わかりにくい。ETS places great importance on the validity of GRE® scores. (ETSはGREスコアの有効性を重視しています)って始まるメールを突然送り付けられても。しばらく何のメールだかわかりませんでした。

Regret(遺憾、後悔)以外に一言も謝罪の言葉がない。

Test takers are being offered a choice of three options:(受験者には三つの選択肢が提示される)などは、日本文化ではあり得ないと思うのですが、これも文化と言葉の違いなのでしょうか?

New York timeって、中国在住者にしか送っていないのに。中国時間の何時ですか?

と私は思ったのですが、中国のネットを見ていても、あまり内容は問題視されていないようなのです。中国の人は辛抱強いというか慣れているというのもあるのかもしれませんが。

試験日23日は例の大型台風が直撃する予定日だったため、試験会場近くのホテルに前日にわざわざ泊まって試験を受けたのですが、無に帰してしまいました。

でもまあしょうがないか、と思えるあたりは中国留学の成果でしょうか。

ちなみに、GREテスト、その他にも色々と乱れておりました。

まず、受験票が届かない。その後、なんと試験終了3日後に届き、よく見てみると住所が「広州市、マンション名、ルームナンバー」となっており間が飛んでいる。それでも届くあたりはある種感動ですが。

受験票が届かないって日本人と言って「英語」で問い合わせると、「中国語」で返事が帰ってきた・・・。読めるからいいけど。

試験会場の机を並べるおばちゃんがのんびりすぎて、試験開始時刻になっても会場に入れない。

試験監督がヘボ過ぎて、挙句の果てに試験のロジについて受験生から反論されて言い負かされ、「じゃあそうしましょう」と従う始末。

「試験開始と言うまで絶対に問題の封を破らないでください」と5回くらい言って問題用紙を配ったら、その瞬間に「ビリビリ」と周りから聞こえ、さらに便乗して封を開けて問題を見始める人多数続出。

隣の女の子がひたすら私の答えを見続ける。

等々、IELTS(イギリス系語学試験)で慣れていたつもりでしたが、その10倍くらい乱れておりました。頑張れETS。

尖閣諸島問題

えー、前回の記事からブログの更新が止まっていることはさておき、ご存知のとおり尖閣諸島の問題が大変なことになっています。

本件について、いくつか感じたことを断片的に記述してみます。

1.中国の大学生との会話

先日、大学の政治学部に申し込みに行った際に、4名程の政治学部の3、4年目の学生と親しくなって本件について討論する機会があったのですが、私が「尖閣諸島は当然日本の領土だと考えている」と言ったら、「本当に???」と驚かれてしまいました。この反応には、むしろこっちが驚かされました。

で、話を進めていくと、彼らが1970年まで中国も台湾も尖閣諸島が米国の施政下におかれていたことに一度も抗議をしなかったことすら知らないということが分かりました。で、この点に話がおよぶと、「だいたい、日本人は過去に日本がしたことを知っているのか?」と、突然話題を歴史認識/歴史教育問題に飛ばされました。

断っておきますが、彼らは当然ながら普通の大学学部生であって(優秀な層に属するのでしょうが)、中国人を代表するわけでも何でもないわけです。ちなみに、彼らは相当に良い人達で、この話が終わったあとも、会ったばかりの私の入学手続きを色々手伝ってくれたり、キャンパスを案内してくれたりもしました。

あえて会話を紹介したのは、一例であるとはいえ、中国人の反応を紹介したかったからです。私的には、(1)普段は中国政府も国内メディアも信頼せず批判的である中国の若者が、基本的な知識も無いにも関わらずず尖閣諸島については疑いなく中国の領土であると信じていること、(2)領土問題と歴史問題がリンクしやすいこと、の二点は興味深いと思いました。

2. とある報道

今日、mixiで見かけた以下の報道。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100914ddm002040016000c.html

以下の談話をどう読めば「外交勝利」(しかもカギ括弧付き)になるのか、私にはわかりかねます。
http://www.fmprc.gov.cn/chn/gxh/tyb/fyrbt/t751892.htm

もちろん、私の中国語力不足や知識不足の可能性は十二分にありえるのですが、ちょっと現段階でどう考えても「中国外交の勝利を宣言」には読めないです。

mixiの日記では政府の「弱腰外交」を非難するコメントが相次いでいますが、ミスリードではないでしょうか??
http://news.mixi.jp/list_quote_diary.pl?page=1&id=1341063

もし私の見方が間違っているようであれば、教えていただければ大変助かります。

3.両国の公式見解

尖閣諸島を巡っては領有権の問題はそもそも存在していません。

それはさておき、一般的に言えば、領有権をめぐる問題というのは、政府の公式見解は「疑いなく我が国の領土である」と言わざるを得なものだと思います。ただ、私が考えるに、互いの立場を離れた場では「客観的に見てどちらの主張に歩があるか?」、「相手側の論拠は何であるのか?」と考え、検討していく人が、双方の国内に増えていくことも、同様に大事なことであろうと思います。

中国を含め、どんな国であろうと、そういう人は少なからずいるであろうし、中国に住む日本人の一人としては、そういう人に会ったら、丁寧に議論をしていきたいと思います。

そんな考えもあり、参考までに、尖閣諸島に関する日中双方の公式見解を以下に紹介しておきます。いまの情勢下、特に中国に住む日本人は一読してみても損はしないのではないでしょうか。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/

http://news.xinhuanet.com/ziliao/2003-08/25/content_1044000.htm

【記事紹介】日中の中国人学生の就職

広州の日本語学習者と日々接している私にとって関心の高い問題について書かれた記事をみつけたので、同様の立場にある方の参考になればと思い紹介しておきます。

小谷まなぶ氏「日中の中国人学生の就職」
http://agora-web.jp/archives/1062111.html